はじめに
日本に住むベトナム人の方々は、仕事や留学など、様々な理由で日本へやってきます。最新の統計によると、2023年12月末時点での在留ベトナム人数は565,026人に達し、中国に次いで国籍別2位となっています。
本記事では、彼らの日本での生活実態をより深く探り、多文化共生社会の実現に向けて私たちにできることを考えていきます。
言葉の障壁と文化の違い
日本語学習の障壁
在日ベトナム人は、日本語学校に通ったり、独学で勉強したりと、様々な方法で日本語を学んでいます。特に技能実習生の場合、来日前に4-6ヶ月ほど日本語を勉強し、N5〜N4レベルに達することが一般的です。
しかし、漢字や敬語、そして日常会話とビジネスシーンでの言葉遣いの違いなど、学ぶべきことは多く、苦労も多いのが現状です。
文化の違いによる摩擦
日本は個人主義的傾向が強く、ベトナムは集団主義的な文化背景を持つため、コミュニケーションの際に誤解が生じることがあります。
例えば、日本人の間では直接的な表現を避ける傾向があるのに対し、ベトナム人の中には率直に意見を言う人が多いなど、コミュニケーションスタイルの違いが人間関係に影響を与えることがあります。
生活習慣の違いと金融感覚
食生活
ベトナム在住者の食生活は多様です。ローカルのレストランでは、日本円で250〜500円程度で食事ができ、多くの在日ベトナム人も同様の価格帯で食事をしています。一方で、日本食を好む人も多く、特に若者の間では寿司や居酒屋が人気です。
住居
日本の家は狭く、収納が少ないと感じるベトナム人も多いです。また、家賃が高額な地域もあり、経済的な負担になるケースも見られます。
金融リテラシーと行政手続き
ベトナムでは現金での取引が主流で、貯金の概念が日本ほど浸透していません。日本での生活では、計画的な資産形成の必要性が指摘されています。また、税金や年金などの行政手続きに関する知識不足も課題となっています。
在留資格による生活実態の違い
技能実習生の課題
技能実習生は、来日前の日本語学習期間が限られており、来日後も仕事と日本語学習の両立に苦労するケースが多いです。また、労働条件や住環境に関する問題も指摘されています。
留学生の課題
留学生は、学業と生活費を賄うためのアルバイトの両立に苦労することが多いです。また、卒業後の就職に関する不安も大きな課題となっています。
心理的な適応
孤独感
日本では、個人主義的な傾向が強く、周囲の人と深く関わることをためらう人が多いです。そのため、ベトナム人の中には、孤独感を感じることがあります。
差別
外見や言葉遣いなど、様々な理由で差別を受けることがあります。特に、技能実習生や留学生など、特定の在留資格を持つ人々に対する偏見が存在する場合があります。
将来への不安
永住権取得や家族の呼び寄せなど、将来のことに不安を感じている人も多いです。特に、技能実習生や留学生は、在留期間の制限があるため、長期的な生活設計に困難を感じることがあります。
多文化共生社会の実現に向けて
多文化共生社会の実現のためには、以下のような取り組みが必要です:
- 言語サポート:日本語教育の充実と多言語対応の拡大
- 文化理解促進:相互の文化を学び合う機会の創出
- 生活支援:住居や就労に関する情報提供と支援
- 金融教育:日本の金融システムや税制度に関する教育プログラムの提供
- 心理的サポート:カウンセリングサービスの充実
- 差別撲滅:啓発活動の推進と法的保護の強化
まとめ
在日ベトナム人の生活は、言葉の壁、文化の違い、そして様々な制度的課題など、多くの困難に直面しています。
しかし、同時に、彼らの存在は日本社会に新たな可能性をもたらしています。多文化共生社会の実現に向けて、私たち一人ひとりが異文化理解を深め、支援の輪を広げていくことが重要です。そうすることで、ベトナム人を含む全ての人々が安心して暮らせる社会を築いていくことができるでしょう。
何か悩みがあれば、MATOI まで。